こんにちは！　株式会社スプールのWebディレクター高橋です。

2025年4月、Googleが自然言語でアプリを構築できるツール「Firebase Studio」を発表しました。

そこで今回はその特徴を、非エンジニアにもわかりやすく解説し、同様に自然言語でAIによるアプリ開発が行えるプラットフォームであるReplit.Agent、bolt.new、Lovableと比較します。

比較の観点

• 使いやすさ
• 料金
• 対応範囲
• ノーコード性
• AIの精度
• デプロイの簡単さ
• バックエンドの実装のしやすさ
• 外部APIとの連携の容易さ

ユースケース

・社内業務の自動化
・アプリ開発

Firebase Studioの概要

Firebase StudioはGoogleが提供する新しいクラウド開発環境です。

生成AI（Googleの次世代モデル「Gemini」など）を組み込み、自然言語の指示だけでフルスタックのAIアプリを構築できるのが特徴です。

WebアプリのUIデザインやバックエンドAPIの設定まで、文章や画像のプロンプトから自動でプロトタイプを作成し、数分で動くアプリを生成します。

専門知識のない初心者から、自分でコードを書き込みたい上級者まで幅広く利用できるよう設計されています。

画面上でチャット形式に「〇〇なアプリを作って」と依頼すれば、その場でコードが生成・実行され、ワンクリックでFirebase Hostingにデプロイ（公開）することも可能です。

現在プレビュー版として提供されており、ユーザーごとに3つのワークスペースまでは無料で利用できます（Google Developer Program会員は最大30ワークスペース）。

Replit.Agent

Replit Agentはオンライン開発環境「Replit」に統合されたAIアシスタント機能です。

「こういうアプリを作りたい」といった自然な文章を入力するだけで、環境構築からコード作成、デプロイまで自動化してくれる「自動アプリ開発エージェント」と言えます。

まるでペアプログラマーが隣についているように、依頼に応じてコードを書き、必要なライブラリをインストールし、エラーが出れば修正も試みます。

完成したアプリはReplit上でそのまま実行・公開でき、アイデアから数分でデプロイまで到達することも可能です 。

料金形態は従量課金制で、チャットでエージェントに指示を送るごとに料金が発生します（1メッセージあたり約0.25ドルが目安。そのため本格的に使う場合は費用に注意が必要ですが、低コード/ノーコードで開発を始めたいユーザーにとって魅力的なツールです。

bolt.new

bolt.newはブラウザ上で動作するAI開発エージェントです。

StackBlitz社が提供しており、Webブラウザだけでバックエンドも含めたフルスタック開発が完結するのが特徴です。

WebContainersと呼ばれる技術で仮想的な開発環境をブラウザ内に立ち上げ、NPMパッケージのインストールやNode.jsサーバの起動までAIが自動で実行します。

ユーザーは「〇〇を作りたい」と会話する感覚で指示を出すだけで、AIがコードを書き、実行し、必要に応じて修正しながらアプリを完成させます。

フロントエンドからバックエンドまで全てブラウザ内で完結するためローカル環境の設定は不要で、その場で動作確認ができます。チャットから直接デプロイする機能もあり、完成したアプリはURLで共有することも簡単です。

料金プランは基本利用無料で試せる一方、より大きなプロジェクトや頻繁な利用には月額20ドル程度の有料プランが用意されています。

Lovable

Lovableはスウェーデン発のスタートアップが提供するAIアプリ開発プラットフォームです。

プログラミング知識がなくても製品レベルのソフトウェアを作成できることを売りにしており、昨年Product HuntやHacker Newsで話題になるなど急速にユーザーを伸ばしています。

GPT-4やGoogle Gemini、Anthropic Claudeなど複数の大規模言語モデルを組み合わせて最適なコードを生成し、「動くものが実際に手に入る」ことに重点を置いている点が他のツールとの違いです。

たとえば「予約機能付きの店舗サイトを作って」と入力すれば、React＋Tailwindなどモダンな技術スタックでフロントエンドを構築し、必要ならSupabaseやStripeと連携したバックエンドも含めて完全なアプリを自動生成します。

生成されたプロジェクトはNetlify等にボタン一つでデプロイでき、公開用のURLも発行されます 。

料金はフリーミアムモデルで、無料プランでは1日あたり5回（最大月30回）までメッセージ送信が可能です。本格的に使う場合は有料サブスクリプションへの加入が必要で、例えばスタータープランでは月100件程度の追加メッセージが送れるなど、利用量に応じたプランが選択できます。

各サービスの比較表　※2025年4月16日時点の情報

以上の各サービスについて、使いやすさ・料金・対応範囲・ノーコード性・AIの精度・デプロイの簡単さ・バックエンド実装のしやすさ・外部API連携の容易さの観点で比較をまとめます。

比較項目	Firebase Studio	Replit.Agent	bolt.new	Lovable
使いやすさ	• 自然言語のチャット形式でプロトタイプ作成 • 初心者〜上級者まで対応可能	• チャットベースで操作 • 簡単な指示なら自動だが、複雑な場合は手動補正が必要	• ブラウザ上で直感的に開発 • 即時プレビュー可能	• 完全対話形式で初心者向け • 専門知識不要で操作しやすい
料金	• プレビュー版は無料（ユーザー毎3ワークスペース） • 将来的には従量課金／サブスクリプションが想定される	• 従量課金制 • 例：1メッセージあたり約0.25ドル程度	• 基本無料＋月額約20ドルの有料プランあり	• フリーミアム（無料枠あり） • 本格利用は有料プラン
対応範囲	• UI、バックエンド、APIなどフルスタック開発全般 • AI機能の組み込みも容易	• Webアプリやスクリプトなどのフルスタック開発 • 複数環境・言語に対応可能	• Web、モバイルアプリ開発に対応 • ブラウザ内で前後工程が完結	• Webアプリ、業務ツールなど幅広いユースケース • プロダクションレベルの生成も可能
ノーコード性	• 自然言語入力でアプリのひな形を自動生成 • 必要に応じてコード編集も可能	• 基本は自動生成だが、エラー時の手動介入も発生	• ブラウザだけでほとんど完結 • コード記述の必要がほぼない	• 一切のコード記述不要 • 非エンジニアでも直感的に操作可能
AIの精度	• 最新モデル（Google Gemini等）を活用し高精度の生成が期待できる	• 単純なタスクなら問題なく、複雑な場合は安定性に課題がある場合も	• 自動検証機能付きで実行可能なコード生成を実現	• 複数のLLMを組み合わせ、プロダクション品質の成果物生成に強み
デプロイの簡単さ	• ワンクリックでFirebase Hostingへ即時公開可能 • QRコードプレビューもあり	• Replit上でのホスティングで数クリックで公開可能	• ブラウザ内からクラウドデプロイが完結 • すぐにURL共有できる	• 外部ホスティング（例：Netlify）と連携しワンクリックで公開
バックエンド実装のしやすさ	• Firebaseの各種サービスと連携可能 • ノーコードでバックエンド構築が可能	• APIやデータベース連携も自動生成 • 複雑なビジネスロジックは手動補正が必要な場合も	• ブラウザ内でNode.jsサーバを起動可能 • 直感的にバックエンド実装が可能	• バックエンド機能も含めた全体生成が得意 • ユーザーの補助なしに一通り実装可能
外部API連携の容易さ	• 自然言語でAPI連携の設定が可能 • 認証やエンドポイントの連携も自動生成	• 外部API統合も試みるが、認証設定等で手動調整が必要な場合がある	• 必要なNPMパッケージを利用して容易に連携可能	• 連携テンプレートが充実しており、設定がシンプルに完了

まとめ

・Firebase Studio は、Google製ならではの統合度と最新モデルGeminiの力、UI/UXの両面で優れており、非エンジニアでも高速にアプリ試作から公開までできる一体型開発環境として位置づけられています。

・Replit.Agent と bolt.new は、コードの自動生成とブラウザ上での完結性に重点を置き、特に手軽さを求めるユーザーに向いています。

・Lovable は、ノーコードによるプロダクションレベルのアプリ生成に強みを持ち、実際の商用利用実績も豊富です。

用途によって適切なツールは異なりますが、非エンジニアでも使いやすいAI開発プラットフォームが各種登場していることで、アイデアさえあれば誰でも形にできる時代が近づいてきています。

各サービスの特性を踏まえ、自分の目的に合ったプラットフォームを選ぶことが重要です。

最後に

株式会社スプールでは、カスタムオーダーシミュレーターの開発を行っております。
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