下描きラフをきれいな線画にしてくれるAIツール「sketch2lineart」は実際使える?
八百谷 真
個人的にイラストを扱う機会が増えたので、数か月間からXなどで話題になっていた「sketch2lineart」を試してみました。
粗い線で描く下描きラフを1本の線画にするのは地味に手間のかかる作業ですよね。しかもラフではイケてると感じていたイラストが、線画にすると「あれ、チープかも…」となるもので、精神的にキツイ工程です。それがsketch2lineartで数十秒で自動で処理されるのであれば時間とメンタル、ダブルで消費されずに済みますね。
シンプルで使いやすい
出来ることが絞り込まれているのでUIはシンプルです。基本的には下描きラフ画像をアップして「Generate」ボタンを押すだけ。
数十秒待てば右側に生成された線画が出力されます。
一般的な下描きラフで試してみました
ちょっとジブリ風?な少年兵のラフを使い線画を生成してみました。うーん、ラフの線は減りましたが、1本の線には絞られていませんね。
そこで、Lineart fidelityを1から0.66に減らしてみました。これでラフの影響度が2/3に減ります。
うまく線画になりました!Lineart fidelityの調整がかなりキモになりそうです。
ん~?ただ、顔のあたり、ジブリ感が無くなってますね。髪の襟足もはねてます。ラフの影響度が弱まった分、絵柄もAIの解釈で萌え系アニメ風に寄せられてしまったようです。
こういう場合はプロンプトに「studio ghibli」と入れればテイストを調整できるのでしょうが、それはあくまでこの事例においての話ですね。
極端なパターンも試してみました
ラフの書き足し線が多いとうまくいかないようなのでラフを描く段階で抑えめに意識するようにするのが良さそうです。以下は極端にラフの線が太くて荒いケースです。
境界線が強調されて線が2本になってますね。ラフが粗すぎると使えないことがよく分かります。
下は文脈と全然関係なく、写真を使ったケースです。
意外にも、とてもうまく線を検出してくれました!イラストを描く上でのシルエットやシワの参考になりますね。
まとめ
- sketch2lineartはコツを見つければ非常に使えるツール
- ベースとするラフはあまり粗く太く描きすぎないこと
- ラフが荒い場合はLineart fidelityを弱めると綺麗な線画になりやすい(ただし絵が少し変わる)
- 写真でも線画は生成可能