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【生成AI】企業のための生成AI活用ロードマップ(短期集中プラン)

高橋 雪

こんにちは! 株式会社スプールのWebディレクター高橋です。

近年、ChatGPTをはじめとする生成AI(ジェネレーティブAI)が急速に進化し、
ビジネスにおいても多様な活用が検討されています。

これらのAI技術は、繰り返し作業の効率化やコンテンツ生成速度の向上だけでなく、
新しいサービスやビジネスモデルを創出する可能性を秘めています。

一方で、情報漏洩やコンプライアンス上のリスク、社内のAIリテラシー不足など、
導入にあたっては考慮すべき課題も多く存在します。

弊社でも生成AIの活用推進を行うことになったため、
企業で導入する場合の生成AI活用ロードマップを作成しました。

本ロードマップの方針

本ロードマップの方針では、以下の方針を取っています。

「既存業務の効率化」→「新規サービス開発」というステップで導入・活用する
その成果(時間・人員リソース)をもとに、新規サービス・ビジネスモデルを開発
・初出の精度よりも、小さい規模でスピーディーに繰り返すことで精度を高めていく短期集中プラン

先に既存業務を徹底的に効率化する理由としては、
既存業務を効率化しないまま、生成AIによる新規サービス開発・ビジネスモデルの創出に手を付けてしまうと単純に仕事が増えるからです。

まずは既存業務を徹底的に効率化し、
その成果で生まれたリソースで新規開発を行うことをお勧めします。

ロードマップ全体像

生成AI導入ロードマップ
フェーズ期間(目安)目的主なタスク
フェーズ0
(準備・現状把握)
約1〜2週間– 現状把握と優先度設定
– KPIの策定
– 生成AIに関する基礎知識のインストール
– 業務フロー・ツールのクイック棚卸し
– セキュリティ・コンプライアンス要件の即時調査
– 生成AIツールの選定
– 短期KPIの設定
フェーズ1
(既存業務の効率化PoC & スモールスタート)
約3〜4週間– スモールPoCを素早く回し、効果を確認
– 現場のAIリテラシー向上
– 優先度上位業務のPoC着手
– 短期的なフィードバックサイクル構築
– AI利用教育 & セキュリティ設定
フェーズ2
(全社展開 & 継続改善)
約4〜6週間– PoC成果が出た領域を全社へ早期展開
– ガバナンス・推進体制を整備
– 全社展開計画策定
– 運用ルール・ガバナンスの簡易整備- AI/IT推進チームの発足
– 継続的な効果測定・改善
フェーズ3
(新規サービス検討・開発)
約4〜6週間 + 継続– 余剰リソースで新規ビジネスアイデア創出
– PoC & プロトタイプ開発で市場の反応を検証
– 新規サービスのアイデア創出
– スプリント型でPoC & プロトタイプ開発
– 初期事業計画(骨子)策定
フェーズ4
(本格ローンチ & 組織変革)
継続– 新規サービスをリリースし収益化
– AI活用文化を定着させ、さらなる拡張を狙う
– サービスローンチと短期評価
– 継続的なアップデートと機能追加
– AI/データ人材の育成と組織強化
– 他分野展開・追加サービス検討

フェーズ0: 準備・現状把握 (約1〜2週間)

フェーズ0 準備・現状把握 (約1〜2週間)

目的

  • 生成AIの基礎知識を学び、メリット・デメリットを理解する
  • セキュリティやコンプライアンスの大枠を確認して、利用可能なAIツールを素早く特定する
  • 生成AIで効率化できそうな主要業務を把握し、優先度を絞り込む

主なタスク

  1. 業務フロー・ツールのクイック棚卸し
    • 重点的に効率化が狙えそうな定型業務・半定型業務をピックアップ
    • 時間のかかっている業務をリスト化し、ざっくりとインパクトを見積もる
  2. セキュリティ・コンプライアンス要件の即時調査
    • 社内規定や契約上の制約を短期ヒアリングで洗い出す
    • 利用が難しいデータや要注意データを一旦リストアップ
  3. 導入目標・KPIのスピード設定
    • 1〜3ヶ月でどれだけ工数削減できるか」「売上貢献はどれほど狙えるか」など短期KPIを設定

成果物

  • 優先導入リスト(仮) & タイムライン
  • 主要リスク、要件、KPIメモ

フェーズ1: 既存業務の効率化PoC & スモールスタート (約3〜4週間)

フェーズ1-既存業務の効率化PoC-スモールスタート-約3〜4週間

目的

  • 小さなPoC(仮説検証)を同時並行または迅速に回して、1ヶ月以内に「どこなら成果が出やすいか」を絞り込む
  • 現場担当者がAIを試せる環境や教育をセットアップし、体感的な効果を得る

主なタスク

  1. 優先度上位業務のPoC着手 (複数同時進行も可)
    • 例:ドキュメント作成支援、問い合わせ対応支援、データ入力自動化など
    • 小規模でもいいので、実際にAIツールを導入・試用し、すぐに効果測定
  2. 短期的なフィードバックサイクルの構築
    • 毎週or隔週でPoCの進捗を評価し、うまくいっている業務に注力
    • 思ったほど効果が出ない領域は深追いせず、別候補へリソースを移す
  3. AI利用教育 & セキュリティ設定
    • PoCに参加するメンバー向けに簡易マニュアル・FAQを作成
    • 社内データを扱う際のセキュリティルールやアクセス権限設定を最小限で整備

成果物

  • PoCレポート(短期導入の効果・課題・改良点を簡潔にまとめる)
  • AI利用ガイド(初版)(現場向けの手引書)
  • 短期KPI測定結果(削減工数や処理時間などを定量評価)

フェーズ2: 全社的な早期展開 & 継続改善 (約4〜6週間)

フェーズ2-全社的な早期展開-継続改善-約4〜6週間

目的

  • PoCで効果が高かった業務を中心に、迅速に全社展開または複数部署への水平展開を行う
  • 継続的に改善・管理できる組織体制(AI推進チームなど)をスピード重視で立ち上げる

主なタスク

  1. 迅速な展開計画策定
    • PoCで成果があった2〜3の業務領域を全社規模に拡大
    • 展開担当者のアサイン、ライセンス・費用見積、スケジュール調整
  2. 運用ルール・ガバナンスのシンプル化
    • コンプライアンスやセキュリティ管理をがちがちに固めすぎるとスピードが落ちるため、必要最低限のルールを優先度高く明文化
    • 例:機密データの取り扱いプロセス、ログの監査方法など
  3. AI/IT推進チームの発足
    • 兼任でも構わないので、社内のAI活用をハブで支援するメンバーを選出
    • 問題や課題を吸い上げ、即時対応する役割を持たせる
  4. 継続的な効果測定 & 改善
    • ウィークリーレベルでメトリクスを追い、改善が必要な点をすぐに修正

成果物

  • 全社展開レポート(導入部署・導入スケジュール・必要リソース)
  • AI利用ガイドライン(正式版) & ガバナンス文書(簡易版)
  • 改善要望リスト & 優先度マトリックス

フェーズ3: 新規サービス検討・開発 (約4〜6週間 + 継続)

フェーズ3 新規サービス検討・開発 (約4〜6週間 + 継続)

目的

  • 既存業務効率化によって生まれた“少しの余力”を、短期集中で新規アイデアのPoCに振り向ける
  • スピード感を意識し、最小限のプロトタイプでも市場反応や顧客の声を早期に確認する

主なタスク

  1. アイデア創出と即時評価
    • 2〜3日の集中ワークショップやブレストで新規ビジネス案を多数出し、優先順位を付ける
    • 顧客ニーズ、社内リソース、収益ポテンシャルを大まかに評価
  2. PoC & プロトタイプ開発 (スプリント型)
    • スクラムやアジャイル手法を用い、1〜2週間サイクルで試作→検証を繰り返す
    • 社外・顧客へのユーザーテストが可能なら積極的に実施
  3. 事業計画の概要策定
    • 早い段階でビジネスモデル、収益化プラン、必要リソースを草案レベルでまとめる
    • 必要に応じて社内稟議を通し、予算・体制を確保

成果物

  • 新規サービス候補リスト & スモールPoCレポート
  • プロトタイプ(簡易デモ) & ユーザーからのフィードバック集
  • 事業計画(骨子版)(初期投資・収益予測・ロードマップ)

フェーズ4: 本格ローンチ & 組織変革 (継続)

フェーズ4 本格ローンチ & 組織変革 (継続)

目的

  • 新規サービスをスピード感を持ってローンチ、反応を見ながら改善
  • AI活用を社内文化として定着させ、拡大・新規展開を促す

主なタスク

  1. サービスローンチと短期評価
    • MVP(Minimum Viable Product)を公開し、早期にユーザー獲得
    • 売上・利用率など主要指標をモニタリング
    • 必要に応じてピボット(方向転換)
  2. 継続的なアップデート
    • 短いリリースサイクルを回しながら機能追加・ブラッシュアップ
  3. 組織面の強化
    • AI/データ人材の育成、リクルーティング、評価制度への反映
    • 新規ビジネスに合わせた部署再編やプロジェクトチームの増強
  4. 追加アイデアの検討 & 他分野展開
    • ローンチで得た知見をもとに追加の新サービス、他業種連携、M&Aなども視野に入れる

成果物

  • ローンチレポート(定期)(売上/利用数、顧客評価など)
  • アップデート計画・バックログ管理
  • 組織・人材育成計画(中長期でのAIリテラシー強化プラン)

まとめ

生成AIの活用にはセキュリティやコンプライアンス等の障壁やリスクもあるため、
まずは小さな範囲で既存業務を効率化して成功体験を重ね、
その結果生まれたリソースを元に新規サービスやリサーチに投下する
というステップは、コスト削減や売上アップにも有効です。

効率化フェーズで得られる知見や社内のAIリテラシー向上が、
新規領域での成功確率を高める土台になると考えています。

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