【アプリ開発支援AI】bolt.new 対 Replit Agent!どっちが使いやすい?
高橋 雪
生成AIの技術進化が止まりません。自然言語のみでアプリ開発ができるAIも次々に登場しています。
今回はその中でも特に人気の高い、「bolt.new」と「Replit Agent」を比較し、どちらが使いやすいかをまとめました。
なお筆者の主な業務はWebディレクションですが、
開発スキルはHTML/CSSコーディング、jQuery等の実装、WordPressテーマ構築、PHPが少しわかる程度です。
①データベースの構築方法
まず、一番の違いはデータベースの構築です。
自分のデバイスやクラアイント側で完結するような比較的単純なアプリであれば、データベースが不要なケースが多いのですが、会員登録機能などデータを永続的に、かつ、別のデバイスからもデータを保存・閲覧するなどの機能を実装したい場合、データベースが必要です。
bolt.newでは、Supabaseというバックエンドサービスとの接続が必要
bolt.newではデータベースを使用する場合、Supabaseというバックエンドサービスとの連携をすることで、簡単にデータベースを構築できます。bolt.newが設定に必要なSQL文を作成してくれるので、ただSQL文を実行するだけなのですが、設定に慣れていない人だと少しハードルに感じるかもしれません。
Replit Agentはデータベースも自動で構築
データベースを自動で構築してくれるので、バックエンド周りの知識が無くても開発が進められます。これは非常にありがたい機能ですね!
②開発スタイルの違い
bolt.newでは、少ない情報から一気にアプリを生成
bolt.newでは例えば、「DX推進状況診断ツールを作って」などのプロンプトを書くと、その情報をもとに一気に最後までアプリを作成してくれます。
Replit Agentは、作ってる途中で細かく確認依頼が来る
Replit Agentは作成前にプロンプトを解析し、追加機能の提案や、作成途中でその都度問題がないか確認が入ります。確認して指示を出さないと先に進まないので、注意が必要です。
↑このような感じで、生成途中で何度か確認が入ります!
③コード生成完了の速度
コードの生成完了までの速度は、「bolt.new」の方が早いと感じました。
というのも、同じプロンプトを与えても、bolt.newは比較的シンプルに実装を行う反面、Replit Agentは追加機能を含む複雑な仕様を提案します。その分仕様が増え、必然的にコードの量も増えます。また、コードの量が増えるとエラーも頻発するため、完了までにはかなり時間がかかっていました。
その分、Replit Agentは初回から、高機能で機能としての品質が高いものが生成されます。
④エラーの頻度
開発が進んでくると、エラーや不具合が頻発します。
しかし、bolt.newもReplit Agentにも、自動でエラーを解決する機能があります。
エラーの頻度はそこまで差がないように感じましたが、Replit Agentの方が複雑なコードの生成をしやすい分、初心者に優しい印象です。
それぞれの特長
bolt.newは伝えていない部分もいい感じに、スピーディーに実装してくれることが多く、痒い所に手が届く印象です。ただしデータベース回りの実装は少し知識が必要で、複雑な機能を実行するためには、何度もやり取りが必要です。
Replit Agentは最初の生成はbolt.new以上にクオリティが高いです。
API連携が非常に簡単で、データベース回りも自動で構築してくれるのは、本当に素晴らしいです。
しかし、ログインしていないのにダッシュボードが表示されたり、認証機能がなかなかうまく実装できなかったり、ちょっとあれ?という部分も多かったです。
主な特徴を表にまとめてみました!
特徴 | Bolt.new | Replit Agent |
---|---|---|
主な目的 | AIによるアプリ自動生成 | AIによるコード生成と開発支援 |
プログラミング言語 | JavaScript/TypeScript、React、Vue.js、Svelte、Angular、Next.js、Nuxt.js、SvelteKit、Python は標準ライブラリのみ使用可能(pip や外部ライブラリは利用不可) | Python、JavaScript、Rubyなどの50種類以上のプログラミング言語 |
UI生成 | 自動 | 自動 |
API連携 | △ 少し複雑 | 〇 非常に簡単 |
バックエンド構築 | △ 部分的(SQL文作成まで) | 〇 非常に簡単 |
データベース連携 | △ 手動 | 〇 非常に簡単 |
データベース設定 | △ 手動 | 〇 非常に簡単 |
プロトタイピング速度 | 非常に高速 | 高速 |
コードの編集 | 〇 | 〇 |
デプロイ先 | Netlifyのみ | Replit、外部クラウドプラットフォーム |
ソースコードのDL | 〇 | 〇 |
強み | ・高速なプロトタイピング作成 ・小規模アプリの高速開発 | 複雑なアプリの高速開発 |
価格モデル | サブスクリプション $20~ | 無料/有料プラン $25~ |
※上記は2024年12月10日時点のものです。最新の詳細は各サービスの公式サイトで確認することをおすすめします。
bolt.newは一番下のプランでも100万トークンを利用できるため、トークンの上限までは、開発スピードを落とすことなく進めることが可能です。
しかし、ReplitAgentは数時間の作業で、3時間後まで使用できないという制限がかかりました。せっかくスピード感をもって開発を進めたくても制限がかかってしまうのは、少し痛いですね。
※2024年12月12日追記
12月10日から、Replitエージェントの制限を撤廃し、使用量に基づく課金が導入されました。
コアプランには月額25ドルのクレジットが含まれ、クレジットを使い切った後も、制限なく開発を続けるために従量課金が可能です。
リファクタリングは?
なお、開発が進んでくると、リファクタリング(ソフトウェアの動作を保ったまま、ソースコードを整理したり綺麗にする作業)をしたくなりますが、これも指示すればやってくれます。ただし、こまめにリファクタリングしないと、これまで動いていた機能が動かなくなったりしました。
(これは人間がやった場合も同様の現象が起こるので、AIに限った話ではないですが…)
結論:どちらも最低限の知識は必要
結論として、それなりに複雑なアプリを作ろうとした場合、あるタイミングからバグやエラーが頻発します。自動エラー修正機能でも、解決しないケースが多くなります。
その場合、デバッグログをより細かくしたり、ソースコードをChatGPTに投げて解析するなどで、こちら側で原因と解決策を検討して支持する必要があります。特にデータベースが絡む機能は、バックエンドの知識がないと苦戦します。
それでもフロントエンドの開発は爆速になりますし、少し知識を身につければ、がっつりプログラミングができなくても、そこそこのアプリを作ることが可能になるので、使う価値は十分にあると思います。
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