【マーケティング基礎】プロダクトの成功に欠かせない、PMF(プロダクトマーケットフィット)とは?
高橋 雪
こんにちは。
株式会社スプールのWebディレクターの高橋 雪です。
プロダクトや新規事業を成功させる上で欠かせない概念、「PMF(プロダクトマーケットフィット)」。
今回はPMFとは何か、どうやって到達するかなどの基礎知識をご紹介します。
PMF(プロダクトマーケットフィット)とは
PMF(プロダクト・マーケット・フィット、Product-Market Fit)は、
「自分たちの製品・サービスが、ターゲット市場のニーズに完全一致している状態」のことです。
簡単に言うと、「この製品、めちゃくちゃいい!使いたい!」「このサービスが、ないと困る」と思う人が市場にたくさんいる状況のことです。
PMFに到達するまでは、多くのスタートアップや新規事業を立ち上げた企業が試行錯誤を重ねます。
PMF(プロダクトマーケットフィット)はなぜ重要?
PMFを達成していないと、
・どんなに営業を強化してもなかなか製品が売れない
・成約までに大きな時間とコストがかかる
などの問題が発生します。
逆に、PMFを達成すれば、自然と口コミで広がり、持続可能な成長が見込めます。
PMFはスタートアップや新規事業の成功にとって、非常に重要な目標となる概念です。
PMF(プロダクトマーケットフィット)に到達しているシグナル
PMFで特に重要とされるシグナルに、以下の3つがあります。
これらは、PMF到達の確実な兆候と考えられています。
1. 売り込まなくても自然に売れる(需要の増加)
例)予約が埋まり続ける、在庫切れが頻発する、サービスへの申し込みが急増する。
2. 顧客が他人に勧めたくなる(口コミや紹介)
例)SNSやレビューでの投稿が増え、「〇〇が本当に便利!」という声が広がる。
3. 「この製品がないと困る」という声が多い、解約率が低い(不可欠な存在感)
例)「他の製品では代替できない」「これがないと仕事が進まない」といったコメントが寄せられる。
これらが確認できた場合、他のシグナル(例えば売上の増加やフィードバックの良さ)も自然と伴ってくることが多いと言われています。
逆に、社長や部長レベルでないとなかなか製品が売れない、口コミが広がっていない、成約までが長い、と言った場合はPMFしていないと判断できます。
PMF(プロダクトマーケットフィット)達成までのフェーズ
PMFに到達するには、いくつかのフェーズがあると言われています。
そのフェーズを示したのが以下の図です。
まずは自分たちの提供するサービスや製品がどの段階にいるのかを把握し、PMFとの距離を認識しておくことが重要です。
PMF到達の鍵! バリュープロポジション
バリュープロポジションとは、「顧客が望んでいて、自社が提供できる、競合他社にはない特別な価値」のことです。
「顧客が望んでいる価値」に加えて、その価値が「独自であるか」「差別化されているか」が重要です。
バリュープロポジションは、PMFに欠かせない要素と言われています。
バリュープロポジションに必要なこと
バリュープロポジションの構築には、以下のステップが有効とされています。
1. 顧客の望んでいる価値を捉える
顧客の課題や悩みを掘り下げ、何に価値をおいているか、顧客の深い理解が重要です。
2. 自社が提供できる価値を作る
顧客の望んでいる価値と、自社の提供できる価値をマッチさせます。
3.競合他社が真似できない&自社にしか提供できない強み・価値を作る
顧客が求めている価値で、かつ競合他社には真似ができず、自社にしかない強みや価値を作ります。
そうすることで、価格競争から抜け出すことができます。
思い込みではなく、顧客理解を徹底する
PMFには「顧客が望んでいる価値を提供する」「他社にはない強み・価値がある」ことが必要不可欠です。
顧客が「絶対に欲しい。これがないと困る」と思うのはどんな製品・サービスなのか?
これは、顧客のニーズを深く理解していないと明確になりません。
顧客の望んでいる価値を理解するには
顧客が望んでいる価値をとらえるためには、いくつかの方法があります。
方法 | 内容 | 実施例 |
---|---|---|
顧客インタビューと調査 | 顧客と直接対話し、ニーズや期待を深掘りする。 | ・アンケート調査 ・問い合わせ内容分析 |
行動データの分析 | 顧客がどのように製品やサービスを利用しているかのデータを分析。 実際の行動を確認し、ニーズを把握。 | ・ユーザーテスト ・ウェブサイトのアクセスログ ・アプリ使用データの分析 |
ペルソナとカスタマージャーニーマップの作成 | 顧客の代表的な人物像(ペルソナ)を作成し、顧客の課題や利用シーンを可視化。 | ・ペルソナ設定 ・顧客ジャーニーマップ |
感情的なつながりを分析 | 顧客の感情的な反応やブランドへの共感を理解し、感情的価値を重視。 | ・顧客のレビュー分析 ・ブランドストーリーの再評価 |
顧客のフィードバックグループ | ・定期的に顧客からフィードバックを受け取る仕組みを構築 ・製品やサービスの改善に活かす | ・定期的なアンケート ・NPS調査*を通じたフィードバック収集 |
顧客との共創 | ・顧客を製品開発やサービスの改善に巻き込む ・実際のニーズに応じた価値を提供する | ・顧客とのワークショップ ・アイデアソン |
*NPS調査:企業のブランドやサービス、商品に対する顧客の推奨度を調査するアンケート調査のこと
まとめ
新規事業やプロダクトの成功にはPMFの達成が不可欠ですが、そのためには徹底した顧客理解が重要です。
参考情報:
新規事業を成功させる PMF(プロダクトマーケットフィット)の教科書
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